米META Groupは,オフショア・アウトソーシングに関する調査結果を米国時間6月22日に発表した。それによると,2004~2006年にかけて,企業やITサービス・プロバイダの「国内と海外」という境界は,引き続き薄れていくという。買収や組織拡大などにより,2006~2007年には大部分でこうした区別があいまいになる。

 META Group社Outsourcing and Service Provider Strategies部門バイス・プレジデントのStan Lepeak氏は,「現在用いられている『オフショア・アウトソーシング』の定義は,誤解を生じる可能性があり,単純化されすぎている」と説明する。「インドでオフショア・アウトソーシングの提携を結んでいる企業は,米国においても海外企業と同様の提携を結んでいる」(同氏)

 Lepeak氏は,「サービス・プロバイダが,真のグローバルな事業展開を実現するには,北米,欧州,アジア太平洋地域などを問わず,最適な供給,生産能力,効率を満たす場所をすべて利用するべきだ」としている。

 「オフショア・アウトソーシングは,経済が引き続き発展していることを示すものだ。全体的な影響や価値提供を評価するには,従業員のレイオフなどだけではなく,様々な観点で検討する必要がある」(同氏)

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