韓国のSamsung Electronicsが,LinuxのコードとデータをNAND型フラッシュ・メモリーに格納するためのファイル・システム「Robust File System(RFS)」を開発した。Samsung社が現地時間6月21日に明らかにしたもの。これにより,次世代の携帯電話機に向けて,高性能かつ経済的なLinuxベースNANDフラッシュ・メモリー・ソリューションを提供できるという。

 RFSを利用すると,NOR型フラッシュ・メモリーを使う必要がなくなるうえ,デマンド・ページング機能を使うLinuxを動かせるので,同社は「全体的なコスト削減とフットプリント縮小が可能」としている。

 さらに同ファイル・システムは,停電時のデータ保護機能が高いほか,アクセスするメモリー内部の位置を均等化することでメモリー寿命を延ばす機能も備えている。ファイル・アロケーション・テーブル(FAT)で発生するデータ消失の問題を解決するため,外部メモリー・カード用のTransactional FATにも対応する。

 同社によると,「RFSの書き込み速度は従来のファイル・システムよりも高速で,JFFS2に比べ10倍,YAFFSに比べ4倍速い」という。さらに同ファイル・システムは,これまでのNAND型フラッシュ・メモリーより読み込み速度が速い同社の「OneNAND」フラッシュ・メモリーでも使用できる。

◎関連記事
韓国Samsungが4GビットのNAND型フラッシュ・メモリーを発表,70nmの製造技術を利用
米Intel,「世界初」90nmルールのNOR型フラッシュ・メモリーを製造
独Infineonがフラッシュ・メモリー市場に参入,512Mビットのフラッシュ・チップを発表
「フラッシュ・メモリー市場で米Intelの勢力は衰えない」,米社と加社の調査
Red Hatと米Wind River,組み込みソフト用Linuxの開発で提携
米Wind River,Linux普及団体OSDLとオープン・ツール開発組織Eclipseに参加
CE Linux Forum,家電機器向けLinuxの試験用ソース・コードを公開
米Motorola,MPC5200プロセサにLinuxサポートを追加

[発表資料へ]