米Cisco Systemsは,公共機関向けに都市エリアにおける無線ネットワークの構築を支援するソリューション「Cisco Metropolitan Mobile Network」を米国時間6月21日に発表した。同ソリューションは,行政機関,警察,消防署,救急隊,交通,公共事業が安全な無線ブロードバンド接続を利用するためのネットワーク構築を目的とする。同社は,同ソリューションにおいてIEEE 802.11b/gに対応する新しい無線カードを発表している。

 同ソリューションにより,公共機関は,統一された経済効率が良いIPネットワークの基盤を構築することができる。エンド・ツー・エンドの同ソリューションは,リアルタイムのデータ・アクセス,ビデオ監視といったネットワークを中心とするサービスやアプリケーションを拡張する。リアルタイムで重要なアプリケーションとツールに無線でアクセス可能になるため,職員の生産性と対応の改善が期待できるとともに,行政機関の通信,セキュリティを改善する手段が提供されるという。

 標準をベースとする同ソリューションは,Cisco Aironet SeriesのWi-Fiアウトドア・インフラ,Cisco 3200 Series Router,IEEE 802.11b/g対応の新しい無線モバイル・インタフェース・カードで構成される。IEEE 802.11a/b/g,携帯,衛星といった既存の無線技術とともに公共の安全に向けた4.9GHzなどの将来的な技術にも対応する柔軟なアーキテクチャを提供する。

 新しい無線カードを搭載した3200 Seriesのモバイル・ルーターは,車内で利用された場合,ラップトップ,PDA,ビデオ監視カメラ,その他のデバイスによるネットワークを構築できる。車両が携帯電話向けネットワークとWi-Fi通信エリア間を移動しても接続は維持される。IEEE 802.11にも対応するため,電灯,屋根などの固定位置に設置して無線通信領域を拡張することもできる。

 Aironet Seriesのアウトドア・インフラは,1400 Seriesの無線ブリッジと1300 Seriesのアクセス・ポイントで構成される。802.11aに対応する1400 Seriesのブリッジは長距離の通信に利用され,中距離向けの通信には,802.11b/g対応の1300 Seriesのアクセス・ポイントとブリッジが利用される。

 IEEE 802.11b/g対応の新しいカードを搭載した3200 Series モバイル・ルーターの価格は3650ドル。Aironet 1300 SeriesのAP/Bridgeは1299ドル。同1400 Seriesのブリッジは1499ドルで提供される。

 同ソリューションの詳細は,同社WWWサイトに記載されている。

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