米Adobe Systemsは,国際新聞電気通信評議会(IPTC)と協調してIPTCメタデータの機能を拡張することで協調する。Adobe社が米国時間6月21日に発表した。これは,データ・キャプチャのプロセス合理化を目的とするもの。同機能を拡張するために,Adobe Extensible Metadata Platform(XMP)が利用される。

 XMPは,XMLを使ってメタデータを記述するもの。メタデータのキャプチャ,管理を行なう標準化されたフレームワークを提供する。

 世界の写真家,ニュース・サービスは,IPTCメタデータを利用してデジタル写真やスキャンにキャプション,クレジット,場所,日時を埋め込んでいる。この情報は,コンテンツ管理システムによって読み込まれ,すべての新聞社が記事に添える写真を探すために利用できる。Adobe社とIPTCは,カスタマイズ可能なメタデータ・ユーザー・インタフェースを通じて,デザイン/出版業務向けスイート製品「Adobe Creative Suite」や関連ポイント製品「Photoshop CS」を介したアクセスを可能にする将来的な実装の開発計画も発表した。

 Adobe XMPを組み込むことにより,キャプチャした画像イメージを記述する情報の範囲が拡張され,従来のIPTCメタデータの領域を越えることができる。たとえば,写真には,使用権,制約,利用条件などの詳細を追加することができるとともに,編集システムと写真家の作品間を直接リンクできるようになる。

 XMP仕様は,PDFとグラフィック・ファイル形式に拡張することもできるため,デジタル資産の保管,検索が容易になる。Adobe社とIPTCは,XMPの利点を取り入れるIPTC実装への移行を促すワーキング・グループの設立計画も明らかにしている。

 XMPソフトウエア開発キット(SDK)は,Adobe社からオープンソース・ライセンスの下に提供されている。同SDKとXMPに関する詳細は,同社のWWWサイトに記載されている。

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