米In-Stat/MDRは米国時間6月21日に,混載DRAM(eDRAM:embedded DRAM)の世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,同市場の売上高は,2003年の1億2470万ドルから,2008年には2億5510万ドルに達する。同期間の年平均成長率は13.2%だ。「eDRAMは,特定用途向け標準IC(ASSP:Application-Specific Standard Product)の利用増加に押され,将来的成長にやや限界が見え始めてきたものの,一部の高性能インフラにとっては依然として必要不可欠だ」(In-Stat/MDR社)

 In-Stat/MDR社主席アナリストのJerry Worchel氏によると,10年近くのあいだ,eDRAM市場は一度もアナリストの予測に達したことはないという。同市場が期待ほど伸びない要因を,同氏は「パソコン市場での使用に頼っていたためだ。十分なDRAMをパソコンに搭載すると,事実上,他の機能を追加するスペースがなくなってしまう」と指摘する。「しかし,まだ希望はある。『1-T SRAM』アーキテクチャの採用が増えれば,トレンチ,スタック,プラナーといった従来のアーキテクチャに比べコストを大幅に削減することが可能だ」(同氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・eDRAM設計の採用が増える見込みだが,カスタム仕様セルベース設計の採用全体より,ゆるやかな成長となる。なお,eDRAM設計の採用は市場全体の5%に満たない。

・カスタム仕様の高度に複雑な設計を採用する他の市場と同様に,eDRAM市場ではハイエンド通信インフラ・アプリケーションが,製品消費額ベースで圧倒的な割合を占める。

・地域別では,米大陸が最も製品消費が多く,欧州は2位。この傾向は2008年まで続く。米大陸と欧州を合わせると,カスタム仕様のeDRAMの製品消費額は,全体の4分の3を占めるようになる。

・アーキテクチャについては,トレンチ構造がこれまで優勢だったが,疑似DRAMに取って代わられつつある。

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