米Apple Computerは,資産管理,ソフトウエア配布,ヘルプ・デスク・サポート用ソフトウエアの最新版「Apple Remote Desktop 2」を,米国時間6月21日に発表した。「スクリーン共有性能を大幅に向上したほか,『Mac OS X』システムを一元管理するための50以上の新機能を追加した」(Apple社)

 Apple Remote Desktop 2を用いることで,OSやアプリケーション・ソフトウエアのインストール,ハードウエアやソフトウエアのインベントリ報告,ネットワークにつながっている1台以上のMac OS Xシステム上でのコマンド実行などが可能。ソフトウエア・インストール・ツールを使って,IT担当者は単一または複数のソフトウエアのインストールを,特定日時あるいは即座に行える。

 200以上のシステム情報属性に基づいたハードウエアおよびソフトウエアのレポートにより,「システム管理者はすべてのMac OS Xシステムの動作を把握できる」(Apple社)。また,リアルタイムのスクリーン共有機能を備えており,ヘルプ・デスク担当者は,離れた場所にある「Macintosh」コンピュータのほか,WindowsやLinuxシステムを含むVirtual Network Computing(VNC)搭載コンピュータのデスクトップを監視および管理することが可能。

 Apple Remote Desktop 2の主な特徴は以下の通り。

・タスクの実行,待ち行列,完了の状態を一覧できるタスク・リスト。新たなパラメータで使用するためにタスクを保存できる

・複数のMac OS Xシステム上でUNIXスクリプトまたはUNIXコマンドを簡単に同時実行するためのリモート・シェル・スクリプト

・ファイルまたはアプリケーションを開いたり,ゴミ箱を空にするなどの基本操作や,ログアウト,画面のロックといったMac OS Xの機能を複数のMac OS Xシステム上で同時実行するための「Remote Control」

・ネットワーク上のMac OS Xシステムの検索を簡素化する「Network Scanners」。ネットワーキング技術「Rendezvous」に対応しており,ネットワーク・アドレスの範囲を指定したり,テキスト・ファイルからマシンのリストを読み込むことで,コンピュータを素速く検索できる

・「User Access Mode」により,管理者はApple Remote Desktopの一部のタスクを管理者権限のない一般ユーザーに委託可能

・サーバー用OS「Mac OS X Server」が備える「NetBoot」および「Network Installation」機能と組み合わせることにより,「Remote Boot Disk Selection」でローカル・スタートアップ・ディスクの設定やネットワーク起動ディスクの指定が行える

 Apple Remote Desktop 2は7月より,オンライン・ストア「Apple Store」をはじめ,直販店や認定販売店で発売を開始する。価格は,10システム対応版が299ドル,無制限版が499ドル。

◎関連記事
米IBMが中小企業向けデスクトップ管理サービスを発表,ウイルスやスパムも遮断
米CA,デスクトップ管理ソフトを手がける米Miramarを買収
「2006年にデスクトップPCを主に利用する企業ユーザーは45%,ノートPCの1/3はタブレット型に」,米調査
米Sunが「Java Desktop System」を出荷開始,キャンペーン価格は50%オフの50ドル
「パソコンの買い替え期間延長がTCO削減に貢献するとは限らない」,米Gartnerの調査
米Microsoft,デスクトップ管理ツール「Solution Accelerator for BDD」を発表
米CA,企業のIT管理を支援する製品戦略「EIM」を発表
米HPがIT管理向けサービスとソフトを発表,「Adaptive Enterprise」構想を拡充

[発表資料へ]