米Viacomは，同社の子会社であるBlockbuster社の分離計画の詳細について，米国時間6月18日に明らかにした。Viacom社は自社株主に対し，Viacom社株式と引き替えにBlockbuster社株式を分配するスプリットオフ方式の株式交換を実施する。交換率については現在のところ未定。
Blockbuster社は，ホーム・ビデオおよびゲームの販売を手がけており，米大陸，欧州，アジア，オーストラリアに約8900以上の小売り店舗を抱えている。米メディアの報道（CNET News.com）によれば，Viacom社は数年前からBlockbuster社の売却先を探していたが，買い取りを希望する企業がほとんどいなかった。Blockbuster社はビデオ・オンデマンドなどの新技術の到来や市場競争の激化により苦戦を強いられている。
Viacom社会長兼CEOのSumner Redstone氏は「Blockbuster社の分離は，当社の成長に向けた新たな一章の始まりとなる。また，それぞれが成功の道をたどるための大きな進展につながるだろう」と述べた。「当社は分離続き完了後，すべてのエネルギとリソースを，コンテンツ作成事業などの中核分野の拡充に注ぐ」（同氏）
またBlockbuster社の発表によると，同社は1株当たり5ドルの配当金（総額9億500万ドル）を全株主に支払う予定。Viacom社はBlockbuster社の81.5％の株式を所有しており，7億3800万ドルの配当金を受け取る見通し。
さらにBlockbuster社は，米JPMorgan，米Citigroup，米Credit Suisse First Bostonから総額14億5000万ドルの融資を受けることも明らかにした。
Viacom社は，Blockbuster社の分離手続きを2004年第3四半期に完了する見込みである。
◎関連記事
■PtoP業界団体のDCIA，米映画業界団体に協力呼びかけ
■「CD，DVDの売り上げが急下降，配信チャネルが大きく移行」，米Forresterが調査結果を発表
■「ホーム・ビデオの不正コピーによる売上損失は，米国で年間およそ10億ドル」，米Macrovision
■無力な法律――DVDのコピー防止機能を破るソフトが堂々と市販される
■米NYTimes.com，総合映画サイト「Movies.nytimes.com」を開設
■米Disney，無線対応のオンデマンド映画レンタル・サービス「MovieBeam」を開始
■「2003年のPVRの出荷台数は，前年比3倍の460万台」，米調査
■「米国のブロードバンド市場はクリティカル・マスに達した」，米調査
[発表資料へ]
