米Webroot Softwareと米EarthLinkが,スパイウエアに関する調査結果を米国時間6月16日に発表した。両社が2004年1月~4月に検査した消費者のパソコン約150万台から,合計50万個以上のシステム・モニターとトロイの木馬が検出されたという。アドウエアとアドウエア・クッキーを含む全スパイウエアの検出個数は約4100万個で,パソコン1台に平均27.5個が存在する計算になる。

 システム・モニターとトロイの木馬について,両社は「スパイウエアのなかでも,危険性のあるアプリケーション」と説明する。システム・モニターはオンライン接続時などにパソコンの操作を記録し,取得した情報をネットワーク経由で密かに外部へ送信する。ユーザーのキー操作を記録する“キー・ロガー”はシステム・モニターの一種。トロイの木馬は,一見無害なソフトウエアを装って動き,外部からパソコンに侵入するための情報を盗むプログラムである。

 「消費者は,自分のパソコンで動いているアプリケーションや,入っているファイルについて知っておくべきだ。ある種のスパイウエアは危険だが,そのほかはインターネットの利便性を高めてくれることがある」(EarthLink社コア・アプリケーション担当副社長のMatt Cobb氏)


■スパイウエアの調査結果
===========================================================================
04年3月 04年4月 04年1月~4月
---------------------------------------------------------------------------
検査したパソコン 237,199台 420,761台 1,483,517台
検出したスパイウエア 7,086,770個 11,305,471個 40,846,089個
パソコン1台あたりのスパイウエア 29.9個 26.9個 27.5個

---------------------------------------------------------------------------
検出したスパイウエアの内訳
・アドウエア 1,262,078個 2,298,201個 7,642,556個
・アドウエア・クッキー 5,750,392個 8,873,555個 32,700,340個
・システム・モニター 35,915個 60,873個 245,432個
・トロイの木馬 38,385個 72,842個 257,761個
===========================================================================
出典:Webroot Software社,EarthLink社

◎関連記事
米EarthLink,スパイウエア検出ソフトの無償提供を開始,非会員も利用可能
「米国でフィッシングやスパイウエアを使った口座への不正アクセスが急増中」,米調査
スパイウエアを巡って揺れる米国
「コンピュータ1台あたり平均28個のスパイウエアがひそんでいる」,米EarthLink調査
米国で「身元情報の窃盗」被害者が1000万人に。対策はいかに?
ジャンク・メールとスパイウエアを阻止するツールとサイト
知っておきたいネットワーク・トレンド(15)第4回――個人情報を横流しする「スパイウエア」の脅威
個人情報を横流しする「スパイウエア」の脅威

[発表資料へ]