米IDCは,米国のIT支出に関する調査結果を米国時間6月17日に発表した。それによると,2004年に,米国が世界IT支出の40%以上を占めることになるという。「カリフォルニア州,ニューヨーク州,およびテキサス州のIT支出の合計は,世界第2位の市場である日本のIT支出にほぼ匹敵する」(IDC)

 調査では,米国IT支出を,50の州,14の垂直市場,13の技術に区分して予測した。

 IDCプログラム・マネージャのJessica Goepfert氏は,「垂直市場ごとに微妙な違いがあるだけでなく,州によっても状況は異なる」と説明。「これらの違いを把握することは,ITベンダーの販売,マーケティング,および戦略的計画の展開において,必要不可欠だ」(同氏)

 IDCは,州および垂直市場別の事業展開でITベンダーが注意すべき点として,主に以下の内容を挙げている。

・州ごとに,事業にかかる費用やリスクを把握すること。例えば,オレゴン州やノースカロライナ州は事業の平均コストが低い。ニューヨーク州は金融市場が優勢だが,非常に予測が難しく,潜在的リスクがある。

・地域的および文化的な差異を考慮して,マーケティングを調整すること。例えば,金融サービスをターゲットとする場合,ニューヨーク州とノースカロライナ州では,メッセージ伝達が明らかに異なる。

◎関連記事
「2004年のIT支出見通しは前年比6%成長」,米Forresterが予測を上方修正
「北米の企業は今後半年の景気を楽観視,2004年のIT支出は前年比3.8%増」,米IDCの調査
「中小企業の2004年IT支出は前年比6.6%増の見込み,大企業の1.7%増を上回る」,米調査
「2004年の企業IT支出,幹部は前年比86%増を予測」,米誌の調査結果 
「2004年2月の米国IT支出,予算額を5%上回る」,米Gartnerの調査 
「米企業のIT予算は2004年に4.7%増,西部地域が好調」,米調査 
「2004年,企業のIT支出は9%増加」--米調査会社が予測
「2004年はすべての垂直市場でIT支出が回復する」,米Gartner調査

[発表資料へ]