米JDA Software Groupによる米QRSの買収について両社は最終合意に達した。両社が米国時間6月17日に明らかにしたもの。両社の売上高は合計で3億4000万ドルを超え,買収による効果で年間2000万ドル~2500万ドルの経費を削減できるという。

 JDA社は,小売デマンド・チェーン向けの統合ソフトウエアとプロフェッショナル・サービスを提供する企業。QRS社は,商取引/製品情報管理ネットワークを手がける。1億種以上の製品を掲載する電子製品カタログを北米で提供し,1万社以上という小売/製造業界の顧客に向けコラボレーティブ商取引ソリューションを販売している。

 QRS社の買収で得られる効果について,JDA社CEO兼社長のHamish Brewer氏は以下のように説明する。「QRS社の商取引サービスと,QRS社が店舗で得ている製品/取引/市場データなど多彩な一連のデータが,当社の『PortfolioEnabled』ソフトウエアにデマンド・チェーンからのリアルタイムな情報をもたらしてくれる。QRS社を買収することで,外部データと企業内部/顧客データを統合して効率的なナレッジ・ベース意思決定手段を構築するというソリューションを,当社1社だけで提供できるようになる」(同氏)

 買収はすべて株式交換で行う。交換比率はQRS社の株式1株当たりJDA社の普通株0.50株。金額にして約1億ドル相当の取引になる。買収後,QRS社はJDA社の100%子会社と合併する。QRS社の株主は,合併会社の発行済み株式の約20%を保有する状態となる。手続きは両社の株主の承認を経て,2004年第3四半期から第4四半期にかけて完了すると見込む。

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