米National Semiconductorが米国時間6月10日に,2004会計年度第4四半期(2004年3月~5月期)と通期の決算を発表した。第4四半期の売上高は5億7120万ドルで,前年同期の4億2530万ドルに比べ34%増,前期の5億1360万ドルから11%増えた。GAAP(会計原則)ベースの純利益は1億2640万ドル(1株当たり利益32セント)。前年同期は純損失440万ドル(1株当たり損失1セント),前期は1株当たり利益24セントだった。

 通期の売上高は,2004会計年度が19億8310万ドル,前年が16億7250万ドル。GAAPベースの純利益は3億1500万ドル(1株当たり利益81セント)で,前年は純損失3330万ドル(1株当たり損失9セント)。

 第4四半期の粗利率は過去最高の54.4%を記録。前年同期は44.6%,前期は51.4%だった。通期の粗利率は51%。

 「アナログ製品に注力したことで,株主への高い利益還元を実現できた。粗利率は54%まで上がり,投下資本収益率は第4四半期に32%を超えた」(National Semiconductor社会長兼社長兼CEOのBrian L. Halla氏)

 第4四半期の受注額は前年同期比45%増,前期比2%増で,全世界で出荷額を上回った。特に,アジア太平洋地域では前年同期比および前期の両方で最大の伸びを示した。ただし,北米の受注額は前期に比べ減少している。

 製品別にみた場合,アナログ製品の受注額が前年同期比50%以上も増えた。同社は「電力管理/増幅器/データ変換製品の大幅な拡大の効果」と説明する。

 同社は,今後の業績見通しについても明らかにした。それによると,2005会計年度第1四半期(2004年6月~8月期)の売上高は,2004会計年度第4四半期とほぼ同等から3%増の範囲と予測する。粗利率はさらに改善し,営業経費はほぼ変化しないと見込む。

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