「2006年までに無線LANに対して仕掛けられる攻撃の中で,成功する70%が無線LANアクセス・ポイント,クライアント・ソフトの設定ミスによるものになるだろう」。米Gartnerが,無線LANのセキュリティに関して米国時間6月9日に発表した。

 同社によれば,保護が施されていない無線アクセス・ポイント,またはピア・ワークステーションを通じて侵入者が企業の無線LANに入り込んだ場合,自らをネットワークに関連付けることにより検出されにくくなる。巧みな侵入者は,慎重に企業のリソースを利用するため,発見される可能性が低いという。

 ネットワークを守るために,企業は従業員や侵入者が許可を得ていない無線アクセス・ポイントを設置しないように徹底するとともに,アクセス・ポイントを正しく設定する必要がある。都市エリアや複数の企業が事務所を構えるオフィス・ビルなどでは,ユーザーが他の企業のネットワークに接続しないように注意しなければならない。

 同社は,高い効果は望めないが,安価に実行できる手段として,無線のハンドヘルド・スニファを購入してネットワーク周辺を歩き回る方法を紹介している。高価だが,もっとも安全な方法としては,無線侵入検出センサー・セットの設置を勧めている。ベンダーに依存しない専用センサーを設置することにより,装置,ベンダーに関わらず無線LANを通過するすべてのトラフィックが検出できるようになる。

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