米Forrester Researchは,2004年のIT支出について調査した結果を米国時間6月8日に発表した。ITベンダー20社の第1四半期業績が堅調であること,さらには米商務省が「IT分野における第1四半期の新規事業投資は16%増」と報告したことから,2004年全体のIT支出見通しは当初の予測をわずかに上回るという。「2004年のIT支出は,2003年と比べて6%成長する見通し」(同社)

 企業のCIOは業績に関してこれまで以上に明るい見通しをもっており,より多くの企業でIT支出が予算を上回る見込みだ。

 北米企業でCIOを務める115人を対象にアンケートを実施したところ,43%が業績見通しについて「堅調」「非常に堅調」と述べている。この割合は,前期に調査した際の33%と比べて増加している。今後3四半期のIT支出について,「予算内に収める」と答えたCIOは55%。34%は「予算を上回る」と答えており,前期調査時の25%から増えた。

 CIOの3分の2は,IT戦略のかなめとして「新興技術の研究と応用」を挙げ,66%が研究開発費を増やす意向である。

 今後~2004年末のIT支出動向の主な見通しは以下の通り。

・引き続き新規投資が増加するのは,「コンピュータ」(16%増)と「通信機器」(11%増)

・コンピュータ・ハードウエア(償却期間3年)の支出は11%増加する

・OS,システム管理,セキュリティ関連がけん引役となり,ソフトウエア支出は9%増加する

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