米Sprintは,同社のPCSネットワークで利用できる米palmOneのスマート・フォン「Treo 600」のカメラを搭載しないモデルを提供する。同社が米国時間6月8日に発表した。同モデルは,セキュリティを懸念する企業向けに提供するもの。同日よりSprint社から,全米向けに提供が開始される。価格はカメラ搭載モデルと同じ599.99ドル。

 同社によれば,カメラ付き携帯電話機は,不動産や保険を始めとして多くの業界で利用メリットが大きい。しかし,重要な情報を複製するために利用されることを懸念する企業もあるという。

 同モデルは,動作周波数144MHzのARM 9プロセサ,32Mバイトのメモリーを搭載し,ビルトインのスピーカフォン,ナビゲーション・ボタンなど,通常のTreo 600からカメラを除いたすべての機能を提供する。

 米IDCの調査によれば,米国におけるスマートフォンの利用は2004年に2倍以上に増えて4500万ユニットに達するという。増加の要因の一部として,企業がモバイル機器の有用性を模索していることが挙げられている。企業間でモバイル機器のポリシーが異なるため,カメラ搭載機と非搭載機といったデバイスの機能に変化を持たせることは,同市場の成長につながるという。

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