米Microsoftと仏伊合弁のSTMicroelectronicsは,「Windows Media 9 Series」対応の家電品向けICを共同開発する。両社が米国とスイスで現地時間6月8日に明らかにしたもの。家電メーカーが同ICを利用すると,Windows Media 9 Series用コンテンツの再生が可能なセットトップ・ボックスやDVDプレーヤなどを作ることができる。

 メーカーに対するICの供給はSTMicroelectronics社が行う。同ICは標準的な映像フォーマットだけでなく,以下の技術にも対応する。

・Windows Media Audio 9 Professional:
 128kbpsという低いビット・レートで5.1または7.1チャンネルのデジタル・サラウンドを実現する。解像度24ビット/サンプリング周波数96KHzという音楽CDを超える音質の提供も可能

・Windows Media Video 9(VC-9を含む):
 さまざまなビット・レートで優れた画質の映像を提供でき,高精細ビデオにも対応する。解像度は最高でDVDビデオの6倍あり,MPEG-2に比べ約3分の1のビットレートで済む

 「STMicroelectronics社のICを地上波/衛星/ケーブル/IP放送用のセットトップ・ボックスに組み込めば,放送局やネットワーク事業者は高画質のコンテンツを家庭に直接配信できる。Windows Media 9 Seriesは圧縮効率が高いので,視聴者となりうる層の拡大と,コンテンツ配信にかかる経費低減につながる」(両社)

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