半導体製造装置/材料に関する業界団体Semiconductor Equipment and Materials International(SEMI)と米国電気電子学会(IEEE)は,ナノテクノロジおよびマイクロマシン(MEMS)分野の標準策定活動で連携するため了解覚書(Memorandum of Understanding:MOU)に署名した。両団体が米国時間6月7日に明らかにしたもの。これにより,両団体はリエゾン(連絡担当者)を任命し,両分野について定期的な情報交換を行うとともに,定例の合同ミーティングを設ける。

 IEEE内で標準策定を担当するIEEE Standards Association(IEEE-SA)は,ナノテクノロジ標準を検討する作業を進めており,2005年にカーボン・ナノチューブ向け計測標準規格の発行を予定している。SEMIのMEMS Initiativeも同様の活動を行っている。

 SEMIとの合意について,IEEE-SAマネージング・ディレクタのJudith Gorman氏は「電子デバイスの性能を向上させるナノテクノロジやMEMS,そのほかの新分野において,SEMIと我々が取り組んでいる標準規格の開発活動を大いに推進してくれるだろう」と説明する。「対象となりうる分野には,有機/分子/カーボン・ナノチューブ/シリコン・ナノファイバを使った電子デバイスがある。このMOUは,長期的な協力関係の第1歩であり,両団体の専門的な知識を相互補完することで会員および業界全体のメリットになる」(同氏)

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[発表資料(SEMI)]
[発表資料(IEEE)]