米AMR Researchが,サプライ・チェーン・マネジメント(SCM)ソフトウエア市場に関する調査結果を米国時間6月3日に発表した。それによると,2004年の売上高は55億ドルで,前年の52億4000万ドルに比べ5%拡大するという。AMR社は,「数年間の様子見を経て,メーカーがサプライ・チェーンの目標達成に必要な投資をやっと増やし始めた」と説明する。

 AMR社CEOのTony Friscia氏は,「SCM投資の拡大は良いニュースだ。業務用アプリケーションが実際の事業でどう役立つか理解され始めたのは,さらに良いニュースだ」と述べる。「優れたアイデアを実用化するのにITを利用するので,技術に対する支出額が増えることは間違いない。無線ICタグ(RFID)による革新や小売業界の変化が,新たな成長に拍車をかけている」(同氏)

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・顧客数が多くさまざまなSCM製品を持つERPベンダーは,売上高を11%増やし市場シェアを拡大する

・パートナとのデータ共有技術に対する関心が急速に高まり,SCM市場の再生につながる

・RFIDがサプライ・チェーン業務(SCE)支出をけん引する主要因であり続ける。特に倉庫管理システム(WMS)アプリケーションの市場規模は6%拡大する

・ベンダーの統合が,特にSCEベンダーのあいだで進む

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