米IDCは米国時間6月3日,オフショア・アウトソーシングに関する米国企業の需要について,調査した結果を発表した。それによると,米国企業がオフショア・アウトソーシングに割り当てる予算は,全体のIT予算と比べると依然として小さいものの,今後はかなりの割合を占めるようになるという。米国企業のオフショア・アウトソーシング支出は,今後12~24カ月で約25%増える見込みだ。

 こうした需要に応えるため,サービス企業はサービス提供能力を慎重に調整し,オフショア・アウトソーシングに注目している顧客企業の幅広いニーズに対応することが求められる。IDCのOutsourcing, Utility and Offshore Services部門ディレクタを務めるDavid Tapper氏は,「サービス企業にとって海外業務戦略を取り入れることは,コスト削減を重視する顧客企業のニーズを満たすために,必要な条件となっている」と説明した。

 IDCはさらに,オフショア・サービスを提供する企業が満たすべき条件として,主に以下の項目を挙げている。

・顧客企業や各国の基準に基づく,適切な業務,およびサービス供給モデルを実施する

・顧客企業に合わせた契約要項や価格設定を使用する

・顧客企業の懸念を緩和しながら,要件を満たす価値提案を行う

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