米IDCは米国時間6月3日に,光ファイバ接続装置市場に関する調査結果を発表した。高速データ通信,エンターテインメント,音声統合などに対する需要に加え,多くの国々で光ファイバ・ネットワーク展開にとって有利な方向に法規制が傾きつつあるため,同市場は2003~2008年に年平均成長率37%で拡大する見通しだ。2003年に5億300万ドルだった同市場の売上高は,2008年には24億ドルに急増する。

 IDC,Optical Networks部門上級リサーチ・アナリストのSterling Perrin氏は,「光ファイバは,従来の銅回線に代わる,次世代の有線ネットワークだ」と述べる。「確かに,銅回線から光ファイバへの移行には時間がかかる。光ファイバが銅回線を上回るまでに数十年かかるかもしれない。しかし,移行はすでに始まっている。その証拠にファイバ接続装置市場は昨年,約5億ドルの売上高を創出した。また,ベル系地域通信事業者(RBOC)が昨年夏にFTTP(Fiber to the Premises)の提案依頼書(RFP)を共同で提出したことも,移行の開始を裏付けるものだ」(同氏)

 IDCによれば,今後5年にわたって光ファイバ接続装置市場を牽引する技術は,APON(ATM Passive Optical Network)でもG.983でもなく,Ethernetだという。特にアジア太平洋地域でEthernet経由の光ファイバ接続の導入が進む。

 IDCは,「システム・ベンダーとそのサプライヤは,グローバルな視点で市場を読み,現在と今後の光ファイバ接続装置市場におけるEthernetの重要性を認識する必要がある。ただし,G.983 APONも小規模ながら米国などで採用されるため,光ファイバ・ネットワークは,Ehternet導入派が望むように均一的に発展することはないだろう」と結論づけた。

◎関連記事
米Verizonがテキサス州で光アクセス・サービス,年末には9州/100万世帯に提供
「米国のブロードバンド市場はクリティカル・マスに達した」,米調査
米Time Warner Telecom,シェラトン・マウイ・ホテルに光ファイバの音声/データ・サービスを提供
「ブロードバンド向けモデム,ルーター,ゲートウエイ,2003年の売上高は42億ドル」,米調査
「高速インターネット接続サービス,2004年は前年比30.5%増の170億ドル規模に」,米調査
「固定無線ブロードバンド市場は今後急速に成長,2007年末には現在の約2倍の規模に」,米調査
「2004年に米国でFTTHの導入が急ピッチで進む」と米調査
【Supercomm2003】「“FTTP”で再び成長産業に」と米地域電話会社。光アクセスへの投資を本格化

[発表資料へ]