米IDCは,携帯電話の基地局用LSI市場に関する調査結果を米国時間6月2日に発表した。それによると,2004年の市場規模は19億ドルに達し,2008年には24億ドルまで拡大するという。IDCは「無線インフラ支出の減少により市場はここ数年低迷していたが,健全な成長を示すようになってきた」とする。

 IDCプログラム・マネージャのSean Lavey氏は「OBSAIやCPRIなどの標準化活動に支えられてOEMが力を増し,既製のLSIへの移行が進むことが,次の大きな傾向になる」と予測する。「第3世代(3G)ベースバンド,トランシーバ,パワーアンプという主要サブシステム用のLSIによりコスト削減がさらに進み,ネットワーク拡張やデータ通信機能を備えるネットワークへのアップグレードに対する需要が急拡大する」(同氏)

 さらにIDCは,「携帯電話の普及が早かった地域で第2.5世代(2.5G)および3Gデータ・サービスの導入が今後も進むことと,その他の地域で基本的な音声サービスの需要が高いという状況が重なり,基地局用の機器に対する支出が盛んな状態が続く」としている。特にWCDMA,CDMA2000,TD-SCDMAといった3G分野は,2008年まで28%という年平均成長率で市場全体をけん引するという。

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