英Sophosは,2004年5月におけるコンピュータ・ウイルスの被害状況についての調査結果を米国時間6月1日,発表した。5月は「Sasser」ワームの検出件数が全体の約半数を占めた。また,新たに959種のウイルスを検出し,1カ月で検出した新しいウイルスの数としては,「過去2年半で最多となった」(Sophos社)。

 5月のウイルス被害ワースト10は以下の通り。

■2004年5月のウイルス被害ワースト10
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1.  W32/Sasser     51.1% 初ランクイン
2.  W32/Netsky-P   11.7%
3.  W32/Netsky-B    4.1%
4.  W32/Netsky-D    3.8%
5.  W32/Netsky-Z    3.4%
6.  W32/Netsky-Q    2.4%
7.  W32/Netsky-C    2.1%
8.  W32/Sober-G     1.5% 初ランクイン
9.  W32/Bagle-AA    0.8% 初ランクイン
10. W32/Lovgate-V   0.7% 初ランクイン
その他  18.4%
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出典:Sophos社

 Sophos社上級セキュリティ・アナリストのChris Kraft氏は,「Sasserは『Netsky』以上に被害を拡大した。比較的新しい米Microsoftのセキュリティ・ホールを悪用し,ネットワークに接続するだけで,ユーザーの介入なしに感染を広げた」と説明した。「このようなワームの場合,各種アンチウイルス技術,ファイアウオールやセキュリティ・ポリシー,社員の啓蒙など,包括的な対策を講じる必要がある」(同氏)

 また同社は,2004年5月における偽情報のワースト10も発表した。5月に初ランクインした偽情報として,「Spunkball」がある。駐車した車に爆弾をしかけるティーン・エイジャがいるというデマ情報を流すものという。

■2004年5月の偽情報ワースト10
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1.  Hotmail hoax           13.5%  10カ月連続でワースト1
2.  Meninas da Playboy     11.0%
3.  Bill Gates fortune      6.6%
4.  Bonsai kitten           6.2%
5.  A virtual card for you  5.0%
6.  Budweiser frogs screensaver 4.9%
7.  JDBGMGR                 4.0%
8.  WTC Survivor            3.9%
9.  Jamie Bulger            3.3%
10. Spunkball               2.2% 初ランクイン
その他                     39.4%
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出典:Sophos社

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