米Intelは,組み込み分野向けに3種類のプロセサ「Pentium M Processor(開発コード名:Dothan)745」「Celeron M processor」「PXA270 Processor」の出荷を開始した。同社が米国時間6月1日に明らかにした。電力管理機能「Enhanced Intel Speedstep」技術を搭載しているため,消費電力の低下が可能になるという。

 通信インフラ向けのPentium M Processor 745は,マイクロアーキテクチャの強化により前世代のプロセサと比較してパフォーマンスを17%改善した。動作周波数は1.8GHzで,レベル2(L2)キャッシュの容量は2Mバイト。幅広い有線,無線インフラ・ソリューションの電力とパフォーマンスの要件に対応するとともに,ATCA(Advanced Telecom Computing Architecture)ボード設計にも適している。POS端末や産業コンピューティングといった組み込み市場にも適している。

 Celeron M Processorの中でもっとも消費電力が低い超低電圧版(ULV)Intel Celeron M Processorは,動作周波数600MHz。冷却ファンを必要としない小型機器の開発をターゲットにしている。メザニン・カードを利用する有線,無線部門,組み込み型市場に適している。

 Pentium M 74とCeleron M Processorは,ソケットレベルで双方,また前世代のプロセサと互換性を持つ。

 また,XScale PXA270は,グラフィカルなアプリケーション,パーソナル・メディアプレイヤ,ナビゲーション機器,携帯型POS端末などに適用できるとされる。動作周波数は,312MHz,416MHz,520MHz。Wireless MMX技術を搭載する。また,「Quick Capture」技術を搭載するため,最大4メガピクセルの画像品質に対応する。

 1000個ロット時の各プロセサの単価は,Mobile Intel Pentium 4 Processor(動作周波数1.8GHz)が415ドル,ULV Intel Celeron M Processor(同600MHz)が127ドル。同日から出荷が開始される。Intel PXA270(同312 MHz)は32ドルで同日よりサンプル出荷が開始される。第3四半期に量産体制に入る予定。

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