米Microsoftが米Lindowsに対して起こしていた商標侵害訴訟で,オランダのアムステルダム地方裁判所は,Lindows社寄りの判決を現地時間5月27日に下した。Microsoft社は同月,同裁判所に2度目の予備的差し止め命令を申し立てていた。

 同裁判所は,Lindowsという商標の使用方法のすべてがWindowsの商標を侵害するものではない,というLindowsの主張に同意し,Microsoft社に対して裁判費用の944ユーロをLindows社に支払うように命じた。

 Lindows社のCEOであるMichael Robertson氏は「Microsoft社は,1日につき10万ユーロの罰金をLindows社に課すよう求めていたが,逆にMicrosoft社が支払いを命じられる結果になった。同社がこれらの法的な戦略を過去のものとし,法廷ではなく市場で競うことを学んで欲しい」と述べている。

 判決によれば,Lindows社は,常に「LindowsはWindowsとは何も関係がありません」というフレーズを伴って同商標を限定的に使用しており,引き続き同商標の限定的使用を許可した。

 Microsoft社は,2003年に米国外の各国で「Lindows」の名称の使用禁止を要求する裁判を起こし,スウェーデンやオランダではMicrosoft社寄りの判決を勝ち取った。Lindows社は,3月12日にオランダ,ベルギー,ルクセンブルクでの営業中止を発表していた。対抗策としてLindows社は,4月13日にOSの名称とWebサイトを正式に「Linspire」に変更していた。現在,オランダにおいてLindows,またはLinspireの名前で販売されている商品はない。また,WebサイトでもLindowsという言葉も企業と著作権に関する記載以外には使用されていない。

 同判決により,Lindows社はベネルクス3国において製品販売の再開が許可された。同社は6月2日よりメールオーダーの受け付けを開始するとともに同月中にチャネル・パートナを通じた販売も再開する。

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