米AMDが,デスクトップ・パソコン向け64ビット・プロセサの新版「AMD Athlon 64 FX-53」と「AMD Athlon 64 processor 3800+」「同3700+」「同3500+」を台湾で現地時間6月1日に発表した。米Microsoftの「Windows XP Service Pack 2(SP2)」と組み合わせてウイルスやワームによる攻撃を防ぐ技術「Enhanced Virus Protection(EVP)」に対応している。

 パッケージは,AMD Athlon FX-53とAMD Athlon processor 3800+/3500+で新たに939ピンのタイプを採用した。

 メモリー・コントローラおよびI/OをCPUに直接接続するDirect Connect Architectureを採用しており,システムの全体的な処理性能と効率が向上するという。システム・バス(FSB)と違ってボトルネックが発生しにくく,AMD社は「FSBのクロック周波数が現時点で800MHzなのに対し,Direct Connect Architectureなら最大1600MHzまで可能」と説明する。

 いずれのプロセサも,必要とされる処理能力に応じて自動的に消費電力を調整する「Cool'n'Quiet」に対応している。

 1000個ロット時の各プロセサの単価は,AMD Athlon 64 FX-53が799ドル,AMD Athlon 64 processor 3800+が720ドル,同3700+が710ドル,同3500+が500ドル。直ちに利用可能とする。

 なお,米Hewlett-Packard(HP)がAMD Athlon 64 FX-53およびAMD Athlon 64 processor 3800+/3500+対応パソコン「Compaq X Gaming PC」の販売を,米国で7月に開始する予定という。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,これまでAMD社製64ビット・プロセサのパッケージは,Athlon 64製品系列が754ピン,Athlon 64 FX製品系列が940ピンを採用していたという。そのため,パソコン・メーカーは2種類のマザーボードを用意する必要があった。AMD社はパッケージを939ピン・タイプに絞り込む方向に動いているが,従来型パッケージ,特に754ピン対応製品の提供も続けるとしている。ちなみに,AMD Athlon 64 processor 3700+のパッケージは754ピンである。

◎関連記事
米AMD,「AMD64」プロセサと「Windows XP SP2」でバッファ・オーバフローを防ぐ技術を発表
米AMD,ゲーマー/マニア向け64ビット・プロセサ「Athlon 64 FX-53」を発表
米AMD,「Athlon 64 3400+」と「Mobile Athlon 64 3200+」「同3000+」「同2800+」を発表
米Transmeta,将来版「Efficeon」で「Windows XP SP2」のウイルス/ワーム対策技術に対応
米Intel,将来版Xeon,Pentium 4で64ビット・アプリ実行を可能に
「米Intelと米AMDの64ビットx86アーキテクチャ,互換性は100%近い」,米調査
「米Intelと米IBMが優勢」――64ビットCPUの比較調査
「2003年Q3のプロセサ市場は前期比17.7%増収,ノートとデスクトップともに需要が急増,米IDC

[発表資料へ]