半導体設計に関する標準化団体のOpen SystemC Initiative(OSCI)とOpen Core Protocol International Partnership(OCP-IP)が,半導体モデリング規格「Transaction Level Modeling(TLM)」と半導体システム設計用C++クラス・ライブラリ「SystemC」によるモデリング基盤を共同開発すると米国時間5月31日に発表した。

 OSCIは,SystemCの開発と普及促進を目的とする非営利団体。SystemCをWebサイトで公開している。一方のOCP-IPは,システム・オン・チップ(SoC)設計を省力化する設計資産(IP)コア・インタフェース用の標準仕様を策定する非営利団体(Webサイト)。

 モデリング基盤を共同開発する理由について,両団体は「TLMを使うSystemCユーザーが増えつつあり,TLMを生かすのに言語と手法の標準化が必要となったから」と説明する。

 OSCI API上でOCP-IPのTLM対応モデルを構築できるようにするため,OSCIは汎用TLM変換機能を提供する。OCP-IPは,この変換機能を使って通信チャンネルのモデルを実装する。「我々が早め早めに協力することで,最適なソリューションを提供し,競合する標準が2つ現れる事態を回避できる」(両団体)

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