米IDCはソフトウエアのライセンス・モデルに関する調査結果を米国時間5月25日に発表した。それによると,2003~2008年にかけて,サブスクリプション・ライセンス方式の収入が,年平均成長率(CAGR)16.6%で成長するのに対し,永久ライセンス方式は同0.3%にとどまる。2008年末には,サブスクリプション・ライセンスの世界売上高は430億ドルに達するという。

 IDCのプログラム・マネージャを務めるAmy Konary氏は,「サブスクリプション・ライセンスへの関心が高まりつつあるのは,『従来のライセンス・モデルが(現実に)そぐわなくなった』と業界がみているため」と述べている。

 「サブスクリプション・ライセンスにより,ベンダーはソフトウエア売上高を見通すことが容易になる。顧客は安い前払い金でソフトウエアを利用することができ,サブスクリプション料金を支払い続ける限り,ベンダーとの関係を保つことが可能だ」(同氏)

 ただしサブスクリプション・ライセンスにはいくつか欠点もある,とIDCは指摘する。同モデルへの移行により,ベンダーの売上高,ひいては株価にもマイナスの影響を及ぼす可能性がある。また,「顧客にとってはうれしいことなのだが」(Konary氏),ベンダーは継続的により良いサポートを提供し続けなければならない。

 「永久ライセンスとサブスクリプション・ライセンスのどちらが最適かは,ベンダーと顧客の状況や好みによって異なる」(Konary氏)

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