米Deloitteは,電子ゲーム産業に関する調査結果を米国時間5月27日に発表した。処理能力,ネットワーク,ストレージなどの進歩により,パソコンを除くゲーム機器のインストール・ベースの台数は,現在の4億1500万台から,2010年には5倍以上の26億台に達する。

 Deloitte社の管理ディレクタを務めるScott Singer氏は,「技術が進歩するにつれ,従来の電子ゲーム以外の産業にも新たな商機が生まれている。具体的には,映画制作会社やレコード会社,広告会社,携帯電話メーカー,通信業者,玩具メーカー,電気メーカーなどだ」と語る。「有料ゲームのプラットフォームは,携帯電話,MP3プレーヤ,PDA,セットトップ・ボックス,玩具,エクササイズ・マシンなどへと大きく広がっていくだろう」(同氏)

 2010年には,世界で4億5000万世帯がブロードバンドに対応する見込みで,10億人がマルチメディア対応携帯電話を使ってゲームのプレイやダウンロードを行なうようになる。パソコンのストレージ容量は1000Gバイトに達し,視覚効果や音響の優れた,非常に複雑なゲームが楽しめるようになるという。

 その他の主な調査結果は以下のとおり。

・ゲーム制作会社は,オンライン・ゲームや携帯電話など,利用可能なプラットフォームが増えるものの,ゲームに対する要求も高くなるため,開発コストの上昇に直面する

・広告会社は,ゲームに挿入された広告などで市場を開拓することができる。300万~500万本のゲームで,広告表示時間は合計5000万時間以上にのぼる

・固定回線業者は,マルチレイヤのオンライン・ゲームなどが増加することで,通信加入者による収入が増える

・モバイル事業者は,携帯電話のゲームが普及するにつれて,女性のゲーム利用の増加が見込める。ただし,第3世代(3G)ネットワークが普及する2010年ごろまでは,帯域幅が不足する可能性がある

・音楽業界は,携帯電話や携帯型ゲーム機での音楽販売やライセンスの収入が見込める

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