米Infonetics Researchは,企業向けルーターの世界市場に関する調査結果を米国時間5月26日に発表した。それによると,2004年第1四半期における同市場の売上高は10億ドルで前期から8%増加した。同社は,2003~2007年における年間の売上高が13%成長すると予測している。

 「この先4年間は,企業向けルータ市場の全体的な成長は緩やかだが,セキュア・ルーターの市場は大きく成長する。米Ciscoは,引き続き長い期間に渡ってセキュア・ルーター市場をリードするが,破壊的な価格設定のベンダーが1社出現して売り上げをあげれば,市場全体が影響を受けるだろう」(同社ディレクティング・アナリストのNeil Osipuk氏)

 その他の主な結果は次の通り。

・Cisco社は,売上高のシェアで世界の企業向けルーター市場において首位を収めている。2位は同社が買収したLinksys社だったが,出荷台数のシェアでは首位を獲得している

・売り上げシェアの3位はD-Link,4位は米NETGEARが続いた

・同市場においてハイエンド製品の売上高は,前期から多少増加しており,出荷台数は17%増加した。北米では出荷台数と売り上げ台数がともに下降している。欧州/中東/アフリカ(EMEA)地域,アジア・パシフィック地域では2桁台の成長をみせている

・ミッドレンジ製品の売上高は前期から21%,出荷台数は20%増加した。売上高は,すべての地域で伸びており,EMEA地域が特に良好だった。2003~2007年の間に出荷台数が74%増加すると予測される

・ローエンド製品の売上高は前期から18%減少した。出荷台数は横ばいだった。EMEA地域は出荷台数が伸び,アジア太平洋地域も多少増加したが,北米は不調だった

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