米Oracleは,2004年末までにLinuxが同社製品の中心となるプラットフォームになることを米国時間5月26日に明らかにした。同社によれば,同年末までに自社の9000人を越える開発者がLinux上で動作するOracle製品の作成を手がけるようになるという。

 同社は,前年よりLinuxへの移行に向けてグローバルな構想に取り組んでいる。10月には同社のOracleアプリケーション開発者の5000人がLinuxベースの開発を行なうようになった。現在,Linuxへの移行は,データベース製品でも始まっているという。

 「過去1年間でLinuxの導入は広く普及した。企業は,製品開発,ミッション・クリティカルなシステムの実行,またデスクトップでもLinuxを採用している。当社は,全Oracle製品をLinuxに対応させる過程で,自社の開発コスト削減,生産性の向上に成功した。また,Oracle製品をLinuxで利用する顧客の経験に関してより深い洞察を得ることができた。そのため,顧客のニーズへの対応と予測がし易くなった」(同社Linux EngineeringディレクタのWim Coekaerts氏)

 同社は,その他にもLinuxへの取り組みとして主要Linuxプロバイダの米Red Hat,米Novell,ミラクル・リナックス,中国のRed Flagと提携している。6000人を超えるサポート・チームがLinux対応のOracle製品の技術サポート提供に加え,「Oracle Linux Kernel Group」と呼ばれるチームでLinuxベンダーとの協調によりコミュニティにパッチや新しい機能の提供も行なっている。また,同社の技術ネットワークからLinux開発者がソースコードなどにアクセスできるWWWサイトも提供している。

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