米Wayportは,ファースト・フード・チェーンの米McDonald'sなどと協力し,Wi-Fi(802.11b/g)対応無線LANアクセスポイントの利用促進戦略「Wi-Fi World」を展開する。Wayport社が米国時間5月25日に発表したもの。

 Wayport社は,McDonald's社,ブロードバンド・ネットワーク・サービス・プロバイダ,戦略的ローミング・パートナとチームを構成し,McDonald's社の店舗で高速無線接続を提供する。それぞれの顧客基盤とマーケティング能力を利用する。

 「Wayport社のWi-Fi Worldにより,消費者はMcDonald's店舗で,便利な高速無線接続を利用できる。同時に当社も,競合社との差別化を図るサービスを提供することで競争力のある地位を確保し,より生産性の高い経営を行うことができる」(McDonald's社U.S. IT部門バイス・プレジデントのJim Sappington氏)

 Wi-Fi Worldで採用するビジネス・モデルのおもな特徴は以下の通り。

・McDonald's社はWayport社のWi-Fi関連パートナや戦略的パートナのマーケティング力を利用できる
・McDonald's社はWi-Fiサポート,キャッシュレス決済,従業員へのオンライン学習などのサービスを受けられる
・McDonald's社は1店舗当たりの月額料と契約料をWayport社に支払う
・Wayport社が,McDonald's店舗に設置する企業向けDSL接続を管理
・Wayport社が,DSL接続料をブロードバンド・ネットワーク・サービス・プロバイダに支払う
・ブロードバンド・ネットワーク・サービス・プロバイダはMcDonald's店舗内のブランド・マーケティングに参加できる(1店舗当たりの年間参加料が必要)
・戦略的ローミング・パートナは1店舗当たり32ドル/月支払う
・ローミング手数料は,バンドル・ベース,月額,従量制のいずれかを設定できる
・戦略的ローミング・パートナは売上高からMcDonald's社およびWayport社に還元しなくてよい

 ちなみにWayport社は,同社パートナ企業の数百万人にのぼる顧客がMcDonald's店舗を利用する可能性があると見込んでいる。

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