米Cisco Systemsは,通信サービス・プロバイダや研究機関向けの新型ルーター・システム「Cisco CRS-1 Carrier Routing System」を米国時間5月25日に発表した。Cisco社は「最高92テラbpsの通信速度に対応可能」としている。

 対応インタフェースはOS-768c/STM-256c。40Gbps対応のASIC「Cisco Silicon Packet Processor(SPP)」を搭載し,最大1152個の40Gbps回線カード・スロットに対応できる。Cisco CRS-1は,それぞれのサービスを独立して処理する「Cisco Intelligent ServiceFlex」設計がベースとなっており,単一システム内でサービスや顧客ごとにトラフィック処理やネットワーク運用を分けて管理する。

 メモリー保護機能を備えるマイクロカーネル・ベースのOS「Cisco IOS XR Software」を採用し,運用中のアップグレードや分散処理などが可能。分散サービス拒否攻撃(DDoS)などの破壊活動を自動的に検知する自己ネットワーク保護機能も備える。

 管理用のユーザー・インタフェースは,コマンド・ライン・インタフェースに加え,XMLベースのビジュアル管理ツール「Cisco Craft Works Interface(CWI)」の利用も可能。SNMPにも対応している。

 現在Cisco CRS-1は,世界各地の通信事業者やサービス・プロバイダが実地試験を行っている。2004年7月に利用可能とする予定。価格は45万ドルから。

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