米Infonetics Researchは,無線LANハードウエア市場に関する調査結果を英国時間5月21日に発表した。それによると,全世界における2004年第1四半期の売上高は6億9640万ドルで,前期に比べ2%増えたという。

 Infonetics社は,ベンダー間の競争激化により平均販売価格が徐々に低下し,その影響でこれから2005年にかけて売上高の拡大が鈍ると予測する。「2005年第1四半期は2%増の7億1360万ドルに留まる」(同社)。出荷台数の増加も,今後4四半期は1ケタ台のゆっくりとしたペースで進むとみる。ただし,2007年の売上高は最高で30億ドルに達するとしている。

 全体としては前期と大差のない無線LANハードウエア市場であったが,無線LANスイッチのポート数は前期比158%増,売上高は同121%増という大きな伸びを示した。同社は,前期比2ケタ成長が2004年いっぱい続き,前年比2ケタ成長も2007年まで続くとみる。

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・全世界における売上高の総合1位は米Linksys。2位は米D-Link Systems,3位は米NETGEAR,4位は米Cisco Systems。ただしNETGEAR社は,無線ゲートウエイの売上高では2位だった。

・地域別にみると,北米市場の売上高が最も高く,欧州/中東/アフリカ,アジア太平洋地域,カリブ海/中南米の順番で続く。

・売上高に占めるユーザー層の割合は,SOHO/消費者が60%,サービス・プロバイダ/企業が40%。「企業向けスイッチやセキュリティ・システムの普及が進む影響で,企業の割合が増える」(Infonetics社)

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