米Gartnerは,パソコンの出荷台数に関する調査結果を米国時間5月20日,発表した。それによると,2004年における全世界の出荷台数は1億8640万台となり,買い換え需要の影響で前年に比べ13.6%増えるという。Gartner社は,2004年には約1億台,2005年には1億2000万台強のパソコンが買い換えられると予測する。

 2004年と2005年の買い換え台数を合計すると,2000年問題(Y2K)対策として買い換えが盛んに行われた1998年~1999年の台数を上回るという。「メーカー各社はY2K対策用に導入されたパソコンの買い換え需要が訪れると1年以上前から予想しており,2004年第1四半期の調査結果はそれが始まったことを示している」(Gartner社クライアント・プラットフォーム調査担当主任アナリストのGeorge Shiffler氏)

 「現在使用されているパソコンの30%以上は3年以上前のものだ。その多くは,サポート期限が切れたか,まもなく限定的なサポートしか受けられなくなる古いバージョンのWindowsで動いている。OSのサポート期限がパソコンの買い換えを促進する大きな力になるだろう」(同氏)

 同社は「世界的に景気が上向いていることもパソコン販売好調の要因」と指摘する。「原油価格の継続的な上昇や地政学的な不確実性の高まりにもかかわらず,ここにきて,2004年は米国,アジア太平洋地域,日本で景気が改善するという予測が出ている」(Gartner社クライアント・プラットフォーム調査担当業界アナリストのKiyomi Yamada氏)

 同氏は「強力な経済発展が,2004年第2四半期以降のパソコン販売に影響するのはほぼ間違いない」と述べ,2004年第2四半期の出荷台数を前年同期比14.3%増と予測する。

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