米Sun Microsystemsと米Embarcadero Technologiesは,Javaアプリケーション開発環境「Sun Java Studio Enterprise」にEmbarcadero社のUML(Unified Modeling Language)対応設計ソフトウエア「Describe」を組み込むことで合意した。Sun社が米国時間5月20日に明らかにしたもの。これによりSun社は,Describeのモデリング技術を無制限に配布/利用する権利を得た。ただし,契約金額など詳しい取引条件については発表していない。

 UMLは,オブジェクト指向に基づいてソフトウエア開発を行うためのモデリング言語。オブジェクト指向技術の標準化を進める国際的な団体であるObject Management Group(OMG)が標準化を行った。

 Describeを使用すると,アプリケーションの視覚化モデルを作ることが可能となり,実装作業用の“設計図”を明確にし,開発者の学習に必要な期間を短縮できるという。UMLのモデルとプログラム・コードは常時同期した状態に保たれるので,モデルの図面から直接コードを参照/メンテナンスでき,開発作業が迅速化する。

 Java Studio EnterpriseにDescribeを組み込むと,「アプリケーションの設計と開発が一体化することで,生産性の高い作業が行えるようになる」(Sun社)

 Describe対応Java Studio Enterpriseを利用する際のライセンス料は,ユーザー1人当たり5ドル(1年間有効なソフトウエア使用権とサービス利用権が付属),または1シート当たり1895ドル(無期限のソフトウエア使用権と1年間有効なサービス利用権が付属)とする。

 なお,同社の開発ネットワークSun Developer Networkに登録しているSun Java Studio Enterpriseの現行版(version 6 2004Q1)のユーザーには,Describeの技術を取り込んだ次版のプレビュー版を利用可能になり次第提供する。

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