「ソフトウエアの進歩が業務生産性の向上とビジネス・プロセスの最適化を促進する」。米Microsoft会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトであるBill Gates氏は米国時間5月20日,同社主催の経営者会議「Microsoft CEO Summit」で基調講演を行った。今年の会議には世界中から100人以上の企業経営者が集まったという。

 同会議のテーマは「Transforming Information Into Impact(インフォメーションをインパクトに変える)」。Gates氏は今回のテーマについて,「技術とビジネスにおける現在の動向を見ると,生産性とビジネス・バリューの向上をもたらす空前の機会が生まれつつある。企業がこれらの機会を最大限活用する方法について考察する」と説明した。「企業がITを使って生産性を高め,ビジネス・プロセスを最適化して新しいデジタル技術を利用できるよう支援する」(同氏)

 Gates氏は,「いずれ,ソフトウエアの進歩が,ファイル管理,情報検索,新機能の利用,スパム・メール対策などでユーザーが直面するわずらわしさの大半を取り除くことになる。企業の意志決定者も,Webサービスを利用することで,経営,販売,職務満足度や顧客満足度について深い見識を得ることができる」と述べた。

 「現在のめざましい技術進歩によって,情報処理作業が向上し,世界中で生産性に変革が起こるだろう。あらゆる企業に新たなチャンスがもたらされ,情報(インフォメーション)を影響(インパクト)に変えることが可能になる」(Gates氏)

 米メディアの報道CNET News.comによると,Gates氏は同会議で,最新製品のほか,将来リリースを予定している製品の一部について説明し,複雑なコーディングをせずに図形やモデルを使って簡単にプログラムを構築するツールのデモを行った。Microsoft社は,新しいモデリング・ツール「Whitehorse」(開発コード名)のテストを年内に開始する予定である。

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