米Gartnerは,オフショア・ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)市場に関して調査した結果を,米国時間5月18日に発表した。それによると,2004年のオフショアBPO市場は前年比65%増の30億ドル規模に達し,BPO市場全体の2.3%を占める見通しだという。

 オフショアBPOとは,ITを多用する業務を海外のサービス・プロバイダに委託することを指す。例えば,ロジスティックス(戦略的物流),購入,人的資源,財務,会計,CRM,顧客サービスといった業務のアウトソーシングが挙げられる。Gartner社のアナリストによると,現在オフショアBPOの大半を占めるのは,電子メール,ボイス・メール,チャットといったコンタクト・センター関連の業務。そのほか,トランザクション処理業務などがある。

 オフショアBPO市場はこの数年間で急速に拡大しており,2004年はその勢いが加速する。しかし,同市場の成長はその後2007年まで減速し,2010年に近づくにつれ再び復調に向かう見通しだ。

 「オフショアBPO市場はまだ成熟しておらず,2007年まで利用が停滞するだろう。ユーザーやサービス・プロバイダが,運用的,文化的,社会政治的な課題を克服するにつれ,同市場の成長はBPO市場全般と足並みを揃えるようになる」(Gartner社Sourcingグループ担当主任アナリストのRobert Brown氏)

 Gartner社が2003年に米国企業301社を対象に実施した調査によると,オフショアBPOを利用している企業は全体の16%を占めた。また,2年以内に海外へアウトソーシングする予定の企業は17%だった。

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