米PeopleSoftが「Enterprise CRM 8.9」を発表，「使い勝手を大幅に向上」

早坂利之

2004.05.19

　米PeopleSoftは，CRMスイートの最新版「Enterprise CRM 8.9」を米国時間5月18日に発表した。新版では使い勝手を大幅に向上したほか，「新たに15種類のモジュール，700以上の新機能を追加し，3種類の業界向けソリューションを用意した」（PeopleSoft社）。

　Enterprise CRM 8.9では，151の主要なユーザー・タスクを完了するまでの平均時間を38％高速化している。また，ビジネス・タスクの実行に必要なクリック数を46％減らしたほか，パフォーマンスも30％向上しているという。

　Enterprise CRM 8.9の中核を成す解析モジュール「Prescriptive Analytics」は，あらかじめ多数のプロセスやイベントを定義しており，顧客価値などの主要な評価基準に沿って，適切な顧客対応を提示する。Prescriptive Analyticsは全てのEnterprise CRM 8.9アプリケーションに含まれる。
　
　「Customer Portfolio Management」モジュールでは，顧客価値を見極め，それを元に顧客を分類して，グループ別の企画を立てて実行に移せるようにする。マーケティング，販売，サービス部門などで，共通のグループ分けを利用することが可能。

　Enterprise CRM 8.9の特定業界向けソリューションは以下の通り。

・Revenue Management：企業全体の顧客関連情報（顧客サポート情報，格付け，大口注文の請求処理）を統合する単一のプラットフォームを提供する

・Student Lifecycle Marketing：私立・公立の大学が，採用，登録，資金調達，生涯教育などの学生管理業務において，効果的な相互戦略を実施できる

・Wealth Management：金融アドバイザや専門投資家などが，事業活動，意思決定，および顧客とのやりとりを自動化できる

　また同社は，顧客需要に沿った製造計画，生産，供給の管理を実現する「Demand-Driven Manufacturing」と，内部統制を支援する「Internal Controls Enforcer」を同日発表した。