米Cisco Systemsと米IBMは,データ/音声/ビデオ通信をIPインフラに集約する製品/サービスの提供に向け協力する。両社が米国時間5月18日に発表した。これにより両社は,Cisco社のIP通信製品とIBM社の製品/サービスを連携させ,世界各地の顧客にIP通信ソリューションを提供していく。
両社の製品とサービスを一体化させることで,「顧客はIP通信の恩恵を容易かつ経済的に得られる」(両社)という。
当初両社は,以下の統合ソリューションの提供を予定している。
・統合通信サーバー「Cisco Unity」とコラボレーション・ソフトウエア「Lotus Domino」の連携
・IP PBXソフトウエア「Cisco CallManager」内でのデータベース「IBM Information Management」の利用
・Cisco CallManagerと組み合わせた場合の「Tivoli」の動作確認
・「IBM eServer xSeries x345」「同x306」「同x345」上でのCisco CallManagerの動作保証
・(IBM社の技術をベースとした)Cisco社の新型メディア変換サーバー「MCS 7815I」および「MCS 7825I」上でのCisco CallManagerの動作保証
・小売/金融サービス向けの業界固有アプリケーション/サービスの提供
「IBM社と当社は密に協力し,IP電話,統合メッセージング,顧客コンタクト・センター,リッチ・メディア通信,ビデオ会議をカバーする統合製品のロードマップを作る」(Cisco社上級副社長のCharlie Giancarlo氏)
IBM社は,カナダのトロントにある同社のソフトウエア研究所で2001年から行っているIPインフラへの移行をモデル・ケースとして紹介した。同研究所では,さまざまな国々や通信キャリアによる複数ベンダーの電話環境が混在しているが,現在までに2万台のCisco社製IP電話機を導入したという。電話用インフラは,IBM社のサーバーで運営されているデータ・センターに集約した。
「電話インフラをデータ・センターに移したことで,音声とデータのネットワークを一本化できたうえ,導入/運用/システム監視/ライフ・サイクル管理の作業も1つにまとめられた」(IBM社CIO室付き音声アプリケーション担当ディレクタのFred Spulecki氏)
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