「アウトソーシングは,今後もITサービスの成長源となり,あらゆる規模の企業で商慣習として定着する」。米Gartnerは,アウトソーシングに関する調査結果を米国時間5月17日に発表した。アウトソーシングは2004年に世界ITサービス市場の53%を占める見込みで,「2007年には56%に拡大する」(同社)。

 Gartner社ソーシング部門リサーチ・バイス・プレジデントのAllie Young氏は,「アウトソーシングは企業がITサービスを購入する主要手段となっている」と述べる。「アウトソーシング産業は引き続き発展する。ただし,アウトソーシング導入を検討する企業にとって重要なのは,あくまで本業に集中することであり,専門知識やITによる効率化を利用することだ」(同氏)

 現在,アウトソーシングに新たな付加価値を与えるものとして,ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)に注目が集まっている。アウトソーシングの大型商談では,複数年にわたる,非常に複雑なITプロジェクトがみられるものの,平均的な企業に対しては,短期間の「選択的な」アウトソーシングが最適なアプローチになるという。

 さらにITサービス市場では,グローバル・デリバリ・モデル(GDM)を採用する企業が増えている。「GDMは,企業が世界のあらゆる場所のITリソースを使用して,必要なスキルを,適時に,適切な価格で調達できるようにするもの」(同氏)。大半の企業は「オフショア」と「コスト削減」を同等にとらえており,GDMに移行しつつある。

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