米連邦通信委員会(FCC)は,通信事業者を変更しても電話番号を保持できる番号ポータビリティ制度(LNP:Local Number Portability)導入にともなう消費者の動向についての調査結果を,米国時間5月13日に発表した。

 FCCのWireless telecommunications Bureau責任者であるJohn B. Muleta氏によると,2003年11月24日にLNPが導入されて以来,携帯電話関連の番号移行は200万件以上にのぼる。ほとんどが携帯電話事業者間の処理だが,固定電話から携帯電話への移行例もいくつかあるという。

 また4月だけで,携帯事業者間,固定事業者間,固定-携帯事業者間を合計した番号移行は約138万件に達する。携帯事業者間と固定事業者間の移行が大半を占めており,それぞれの件数はほぼ同じくらいである。

 「LNP導入が競争を促し,無線キャリアは消費者により良いサービスを提供する努力をしている。多数の無線キャリアが消費者を引きつけるための宣伝要素にLNPを強調している」(Muleta氏)

 現在,米国の主要100都市でLNPに対応しているが,FCCは5月24日より,その他の地域に対してもLNPの適用を義務づける。

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