米comScore Networksがカナダで現地時間5月13日に,カナダと米国におけるインターネット検索エンジンの利用傾向に関する調査結果を発表した。それによると,毎月1回以上検索エンジンを利用するユーザーの割合は米国(73%)より,カナダ(85%)の方が多いという。

 カナダのユーザーは検索エンジンの利用者が多いだけでなく,ユーザー1人当たりの使用頻度も米国より高い。2004年4月にカナダのユーザーは,主な検索エンジンを約5億7500万回(1人当たり40回)使ったのに対し,2004年3月に米国ユーザーは約36億回(1人当たり35回)しかアクセスしていない。

 「(カナダでは)家庭インターネット・ユーザーの60%以上がブロードバンド接続を利用していることから,カナダのユーザーの方が頻繁に検索エンジンを使うという調査結果は驚くにあたらない」(comScore社「Media Metrix Canada」担当社長のBrent Lowe-Bernie氏)

 ただし同社は,「カナダのユーザーのインターネット利用度が米国ユーザーより高いわりに,カナダのオンライン広告市場は米国ほど発展していない」と指摘する。カナダにおける2003年のオンライン広告の売上高は広告市場全体の1.5%で,米国(3.3%)の半分にも満たない。「インターネット検索が盛んなカナダでは,米国と同じく商業化のチャンスが確実に存在している」(同社)

 同社は,主な検索エンジンの利用状況についても調査した。その結果,カナダと米国では市場シェアに大きな違いがみられたという。米国でシェアトップのGoogle(36%)と2位のYahoo!(30%)の差は6ポイントしかないが,カナダではGoogleのシェアが62%で圧倒的に強かった。

■米国とカナダにおける検索エンジン利用状況

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                     カナダ                         米国
          -----------------------------   -------------------------------
           シェア    利用ユーザーの割合    シェア    利用ユーザーの割合
-------   -----------------------------   -------------------------------
Google      62%            65%            36%            46%
Yahoo!      15%            41%            30%            51%
MSN         12%            46%            16%            41%
その他      12%            ---             18%            ---
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※カナダの結果は2004年4月のデータ,米国の結果は2004年3月のデータを使用

出典:comScore社

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