米Techtelは,米国のIT需要動向に関する調査結果を米国時間5月13日に発表した。この数年間,コンピュータ・ハードウエア市場では,米Dell,米IBM,米Hewlett-Packard(HP)が三つどもえの争いを繰り広げているが,企業向けパソコン分野ではDell社が圧倒的優位に立っている。

 調査は,Techtel社が25のITカテゴリ(デスクトップ・パソコン,ノート・パソコン,サーバー,ディスク・ストレージ,アウトソーシング・サービス,プリンタなど)について,米国企業に勤める約650人から回答を得たもの。製品やサービスに対する需要をはじめ,需要から販売への変換効率,顧客獲得などを分析した。

 主要ハードウエア(デスクトップ・パソコン,ノート・パソコン,サーバー,ストレージ)についてみた場合,ここ2年間でHP社がDell社にシェアを奪われている。HP社はアウトソーシング分野で勢力を伸ばしつつあるが,「アウトソーシング分野に加え,サーバーおよびストレージ分野での強みを保ちつつ,プリンタ分野のシェアも維持するというのは無理な注文だ。ここにHP社の問題が浮き彫りとなっている」(Techtel社CEOのMichael Kelly氏)。

 ローエンド・サーバー分野では,IBM社,HP社,Dell社の3社が,パソコン分野よりも僅差の競争を繰り広げている。「ただしIBM社とHP社は,パソコン分野での『教訓』を踏まえ,戦略を変更してDell社に対抗する必要がある」(Techtel社)

 企業向けプリンタ分野では,HP社が依然として需要の62%を握っている。しかし,Dell社が同分野に参入し,好調に事業を展開しており,手ごわい長期プレーヤに成長するとみる。

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