米IBMは,エントリ・レベルのディスク・ストレージ・システム「IBM TotalStorage FAStT100 Storage Server」と,「Write Once Read Many(WORM)」メディア技術を採用した「IBM TotalStorage Enterprise Tape Drive 3592」(Model 3592)用のテープ・カートリッジなどを米国時間5月12日に発表した。

 IBM TotalStorage FAStT100 Storage Serverは,シリアルATA型のハード・ディスク装置を採用することで,「FAStT600」の機能を継承しつつ価格を下げた製品という。「(低価格化により)中小企業でも長期間データ保存が可能な高性能ストレージ・ソリューションを導入し,普段アクセスしないデータを整理できる」(IBM社)

 ストレージ管理ソフトウエア「IBM TotalStorage FAStT Storage Manager」を使用すると,FAStT100を最大16個の領域に分けられるので,ストレージ容量の利用効率が向上し,管理コストも小さくなるという。

 一方,WORMは,テープ・ドライブModel 3592で利用可能なメディア技術で,一度テープに記録したデータは変更できない追記型記録方式。同社は,「各種規制や内部監査に対応するため,大量の電子記録を安全に保管したい企業に適したストレージ技術」と説明する。

 同社は,60Gバイトという少ない容量のModel 3592用テープ・カートリッジの提供を新たに開始する。300Gバイトのテープ・カートリッジ同様,WORM対応版とWORM非対応版の2種類用意する。

 さらに同社は,Model 3592用のテープ・ライブラリ装置「IBM TotalStorage UltraScalable Tape Library 3584」についても明らかにした。同装置を使用すると,Model 3592と各種「IBM TotalStorage Linear Tape-Open(LTO)Ultrium Tape Drive」を共存させ,Model 3584でWORMの利用が可能となる。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,TotalStorage FAStT100 Storage Serverの価格は2004年5月25日に発表する予定という。2004年6月初めに世界各地で利用可能とする。また,300Gバイト版のModel 3592用WORM対応テープ・カートリッジの価格は,20本パックが4460ドル(1本当たり223ドル)。2004年5月21日より世界各地で利用可能とする。なお,60Gバイト版の価格については明らかにしていない。

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