IEEE1394の標準化を進める業界団体1394 Trade Association(1394 TA)は,無線規格IEEE 802.15.3にIEEE 1394を適用するProtocol Adaptation Layer(PAL)仕様を承認した。1394 TAが米国時間5月10日に発表したもの。これにより,「Wireless FireWire」対応製品の開発が可能になり,「消費者は簡単に家庭内エンターテインメント・ネットワークを構築することができるようになる」(1394 TA)としている。

 今回のPAL仕様は,1394 TAの無線関連作業グループ(Wireless Working Group)が策定した。802.15.3 MAC(Media Access Control)と1394アプリケーション間の統合レイヤー仕様として設計されている。データ・フォーマット,接続管理スキーマ,時刻同期プロシージャなどは1394インフラをベースとし,802.15.3の長所を利用する。

 「IEEE 802.15.3 MACとWireless 1394規格を使用することで,FireWireに精通したエンジニアと無線関連のエンジニアが協力し合い,直ちに無線機能を備えたセットトップ・ボックス,HDTV,チューナ,DVDプレーヤなどの次世代家電を開発できる」(1394 TA)。これらの製品は相互接続が可能な上,PALがブリッジ規格IEEE P1394.1をサポートするため,既存のFireWire対応製品と接続して利用することも可能。

 1394 TAの執行ディレクタであるJames Snider氏は,「Wireless FireWire対応製品を開発する準備が整った」と述べた。同氏によると,仕様策定作業は予定より早く完了したという。

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