米国のコンピュータ関連企業で構成する非営利の業界組織CompTIA(Computing Technology Industry Association)は米国時間5月10日,コンピュータ,電子機器,IT業界におけるICタグ(RFID)技術の普及推進に向けた取り組みを開始すると発表した。

 RFIDは,サプライ・チェーンにおける商品追跡を容易にする次世代バーコードとして期待されている技術。商品データや在庫情報などを記録したチップと無線を利用し,商品に接触したり,直線方向のスキャンが不要となる。同技術の普及により,処理効率や在庫管理が向上し,サプライ・チェーン全体におけるプランニングが可能となり,また製品の改ざんや偽造を削減できるため,大幅なコスト削減が期待できる。

 しかしそのためには,サプライ・チェーン内における協力や,ハードウエア,ソフトウエア,人的資源への投資が不可欠。また,電子機器製品におけるRFIDタグの取り付け場所など,IT業界特有の課題があるほか,同技術に関する標準規格を策定する必要がある。

 そこでCompTIAは,情報通信技術(ICT)分野におけるRFIDの利用を模索することを目的に,タスク・フォースを発足させた。RFIDタグとRFID関連の標準策定などに取り組む予定である。

 CompTIA,e-Commerce担当副会長のDavid Sommer氏は,「CompTIAは,IT業界のあらゆる分野を網羅する世界各国の1万9000社を擁しているため,RFID技術に関する業界のベスト・プラクティスやソフトウエア要件などを定めるうえで貢献できる」と説明する。

 またCompTIAは,RFID技術普及推進のため,次のような取り組みも行うという。

・RFIDがコンピュータ/電子機器/ITサプライ・チェーンに与える影響の調査

・自動車業界,航空宇宙業界,政府機関といった,IT分野と密接な関係にあるサプライ・チェーンとの協力

・再販業者やソリューション・プロバイダの教育と研修

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