米IBMは,Web上でパソコンのデスクトップ環境の機能を提供するミドルウエアを米国時間5月10日に発表した。「業務用アプリケーションとデータのアクセス/共有/管理を,より柔軟かつ安全に行える単一環境を提供する」(IBM社)とする。

 同ミドルウエアを使用すると,Webアプリケーションの持つ低い総所有コスト(TCO)と迅速な展開という特徴を,従来のパソコン用ソフトウエアの高機能と融合できるという。その結果,「Webとパソコンで異なるアプリケーションを使う必要がなくなり,クライアント・コンピューティングを単一モデル化することの恩恵が得られる」(同社)。

 IBM社は同ミドルウエアのもう1つのメリットとして,さまざまなクライアント機器に対応している点も挙げる。各種デスクトップ/ノート・パソコンのほか,店舗設置用キオスク端末,PDA,携帯電話機などでも利用可能と説明する。現在の対応OSはWindows,UNIX,Linux,Symbian OSで,2004年後半にはMacOSでも利用可能とする予定。

 また同社は,サーバー・マネージド・クライアント環境を提供するソフトウエア「IBM Lotus Workplace Messaging」および「IBM Lotus Workplace Documents」の新版についても明らかにした。IBM Lotus Workplace Messagingはオープン・スタンダードのメッセージング・ソリューションで,Webブラウザからアクセス可能。IBM Lotus Workplace Documentsは,さまざまな種類の文書を集中管理するための環境を構築する製品。いずれも,同社のクライアント・プラットフォーム「IBM Workplace Client Technology」に対応している。

 さらにIBM社は同日,対応機器を拡充させたクライアント・プラットフォーム「New Workplace Client Technology, Micro Edition」についても発表した。

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