米Comcastは,米Walt Disneyの買収提案を撤回したことを,米国時間4月28日に発表した。「Disney社の経営陣と役員会の一部は,両社の合併に関心がないということが明らかになったため」(Comcast社社長兼CEOのBrian L. Roberts氏)としている。

 Comcast社は2月11日に,Disney社を660億ドル(当時の株価で換算)で買収する提案を明らかにした。Disney社の株式1株に付きComcast社の普通株0.78株を割り当てる株式交換方式で,Comcast社はDisney社の負債119億ドルも引き受けるとしていた。しかし,Disney社は「Comcast社の株式0.78株の価値は,当社の株価より3.60ドル安い」と反発し,この提案を拒否した。

 なおComcast社は,2004年第1四半期の業績を同日発表している。売上高は前年同期比9.8%増の46億ドル。ケーブル事業の営業キャッシュ・フローは同21%増加し,コンテンツ事業の営業キャッシュ・フローは同67.9%増加した。ベーシック・ケーブル・サービスの新規加入者数は3万5000人以上で,高速データ・サービスの新規加入者数は39万4000人を超える。米メディアの報道(CNET News.com)によると,純利益は6500万ドル(1株当たり利益は3セント)で,前年同期の純損失2億9700万ドル(1株当たり損失は13セント)から大幅に改善している。

 「2004年の素晴らしいスタートを切ることができた。当社は米国内で最も急速に成長しているメディア/通信企業だ」(Roberts氏)

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]