Web関連技術の標準化を進めるW3C(World Wide Web Consortium)は米国時間4月27日,Webサービス利用時のやりとりを調整する言語「Web Services Choreography Description Language(WS-CDL)Version 1.0」の草案初版を発表した。

 Webサービスで想定しているビジネス・トランザクションは,特に複雑なやりとりが必要となるため,イベントの連続によって予期せぬ依存関係が発生する可能性がある。WS-CDLは,各種のサービス・コンポーネントがどのように,どの順序で相互に動作するかを定義する。BPELやJavaなどの言語を補完し,連携するサービス間における一貫した動作を規定する。

 Webサービスを利用する主な理由の1つに,「相互接続コストの削減と利便性の向上」が挙げられるが,これを実現するには,専用プログラムを利用するか,専用回線を用いてサービスどうしをつなぐ以外に方法がなかった。しかし今後は,「グローバルなモデルを利用したコレオグラフィ(動作の定義)により,複数のサービス間で契約に基づいた動作を保証できる」(W3C)

 なおWS-CDLでは,業務に関する要件だけでなく,円周率 (π) 計算における数学研究なども取り入れるという。現在,業界や研究分野の専門家が策定を進めている。

 WS-CDLはXMLをベースにしており,SOAP Version 1.2やWSDL 2.0のほか,Webアーキテクチャに対応する。W3CにおけるWebサービス関連の作業部会が策定するすべての技術仕様と相互操作性を保てるように設計されている。

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