米IBMは,大規模SAN用スイッチ「Cisco MDS 9000」ファミリのマルチレイヤ・ディレクタ/ファブリック・スイッチについて,Fiber Connection(FICON)関連機能の互換性を認定した。米Cisco Systemsが米国時間4月27日に明らかにしたもの。IBM社は,これらFICON機能/関連製品を再販する。これにより,IBM社のメインフレームを使用している顧客はCisco社のSANスイッチを利用できるようになる。
FICONとは,メインフレームとストレージ機器を接続する際に使う高速I/Oインタフェース。Cisco社は,SAN用OS「SAN-OS 1.3」からMDS 9000でFICON接続機能とFICON Control Unit Port(CUP)管理機能に対応していた。さらに同社は,Fibre Channel over IP(FCIP)を使ってFICON over IPネットワークの拡張も実施した。
これに対しIBM社は,ニューヨーク州ポキプシーの施設で「IBM S/390」および「IBM eServer zSeries」による環境を使ってCisco MDS 9000の相互接続試験を行い,FICON関連機能が正常に動作することを確認した。
Cisco MDS 9000のFICON機能は,既に米First Americanが利用している。同社はFCIP上でFICONを運用し,2200km以上離れたカリフォルニア州アナハイムとテキサス州ダラスのデータ・センター間を相互接続した。IBM社によるCisco MDS 9000向けFICON機能と関連製品の一般提供は,2004年5月7日に開始する。
なおIBM社は,「IBM TotalStorage Virtual Tape Server」と「Extended Remote Copy(XRC)」技術をFICONおよびFCIPに対応させる計画も明らかにした。
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