米AT&Tは,2004年第1四半期の決算を米国時間4月22日に発表した。同期の連結売上高は,前年同期から11.1%減の80億ドルを計上した。純利益は3億400万ドル(希薄化後の1株当たり利益は38セント)だった。前年同期の純利益である5億7100万ドル(同73セント)からは,2億6700万ドルの減収となった。

 売上高を事業部門別にみると,AT&T Busines部門が59億ドル,AT&T Consumer部門が21億ドルだった。売上高が低迷している原因については,「長距離通話とデータ通信の収入が引き続き落ち込んでいるため」としている。ただし,AT&T Consumer部門が提供する市内/長距離バンドル通話サービス,AT&T Business部門のいくつかの主要市場における増収が長距離通話の減収を一部相殺している。

 営業利益は2億8100万ドルで,営業利益率は3.5%だった。営業利益には,不動産の整理と従業員解雇に関わるリストラ費用の2億1300万ドルが含まれている。

 同期の業績について,同社会長兼CEOのDavid W. Dorman氏は「AT&Tは,供給過剰と熾烈な価格競争に象徴される困難な業界環境において,事業を継続させている。当社は,通信事業おける技術の移行に焦点を当て,VoIP,無線といった新製品で商品の多様化を図るとともに,コスト構造の改善を行なって経済力の基盤を築いている」と説明している。

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